スイートスポットは実は3種類あるってホント?
テニスをプレーするときに誰もが意識すること、それはできる限りスイートスポットでボールを打つことです。
では、スイートスポットとは何でしょうか?
詳しく説明してくれと言われると意外と難しいですよね。
漠然としたイメージで、気持ちよくボールを打つことができる部分という風に思っている人もいると思います。
とにかく、スイートスポットで打った方がよいということはわかるけど、スイートスポットがどこにあるかというのも正確にはわかりづらい。
ということで、スイートスポットに関する情報をまとめてみました。
普段何気なく使っている「スイートスポット」という言葉ですが、実は明確な定義があります。
1981年に「American Journal of Physics」という雑誌に掲載された
『Physics of the tennis racket II: The ’’sweet spot’’』
という論文によると、1つのラケットに3種類のスイートスポットが存在するということになっています。
このように、一言で「スイートスポット」といってもどのスイートスポットのことを指しているのかがわかりません。
一般的には、この3つのスイートスポットはラケットの面上にこのように分布していて、全部をまとめたエリアのことをスイートスポットと呼んでいます。
この3つのスイートスポットの位置は、ラケットの重心や形、フレームのサイズや素材など様々な要因によって決まっています。
ラケットメーカーは、これらの要因を変化させてスイートスポットの位置を調整しているのです。
では、なぜスイートスポットで打つとよいのかを説明しましょう。
ラケットでボールを打つとき、ラケットは持っている手を中心に回転しますね。
単純に考えると、同じ時間に同じ角度だけ進むので、扇形の弧の長さを考えると、手からの距離が長い方が同じ時間に進む距離は長くなります。
ということは、ラケットの先端のほうがスピードは速くなるわけです。
では、ラケットの先端で打った方がボールのスピードは速くなるのではないかと思う方もいるでしょう。
しかし、ボールのスピードは、ラケットのスイングスピードだけで決まるものではないのです。
皆さんはてこの原理を知っていますか?
支点と力点が離れるほど、ボールから受ける力は強くなってしまいます。
つまり、ラケットの先端になればなるほど、プレーヤーが受ける力は強くなってしまうため、それだけ多くの力をボールに与えてあげなければいけないということになります。
それだけではありません。
ストリングの可動範囲はラケットの中心にいけばいくほど広くなります。
これは、なんとなくイメージすることができるのではないでしょうか。
ストリングの可動範囲が広い方が、反発力は大きくなり、スピンもかけやすくなります。
このような理由から、スイートスポットであるラケットの真ん中でボールを打った方が、強い打球が返せるということになるのです。
このように、テニスをするうえで重要になってくるスイートスポットですが、理論を説明しても、結局大事になってくるのは自分の感覚です。
実際にプレーしてみないとスイートスポットがどこにあるのかを感覚的に理解することは難しいですし、
ラケットによって打球感が違ってくるのは言うまでもないですよね。
つまり、いろいろなラケットを使ってみて、自分にあったラケットを探していくのがいいでしょう。
そして、今回の記事で分かったスイートスポットの重要性というものを頭の片隅にでも入れてプレーをすることで、少しはプレーの質も上がってくるのではないでしょうか。
感覚も大切ですが、やっぱり理屈もわかっていた方がやりやすいですからね。
子供はものごとを習得するときに、理屈がわからないので何度も繰り返すうちに感覚で覚えていくものですが、理屈から入ることができるのは大人の特権です。
日本語を覚えたときは、理屈なんて全然わからなかったですよね。
でも、中学生になって英語の勉強を始めたときは、文法を習って理屈を通して覚えてきたわけです。
このように、理論を学びながら練習をする方が早く上達できるようになります。
このサイトには、テニスを様々な角度から理論的に説明する記事がたくさんあります。
ぜひ、他の記事にも目を通していってください。