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衝撃が最小になる打点ってどこ? ~スイートスポット①~

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こんにちは、けとるです。 スポーツをするのも見るのも大好きな理系男子です。 特に好きなスポーツは高校の時に始めたテニス。 今でもテニスが大好きで、テニスがうまくなりたい! 学生時代得意だった物理の知識を生かして、テニスを理論的に考えてみたり、テニスに関する情報を発信していきます。

Contents

スイートスポット①(打撃の中心)とは何か?

ラケットには3種類のスイートスポットがあるということをこの前説明しました。

今回は、そのうちの1つ目である衝撃が最も小さくなる部分について説明したいと思います。

2つの物体が衝突したときの物体の動きを考えるときは、 物体の動く向きと、その物体が回転する向きについて考える必要があります。

今回考える物体とは、ボールとラケットの2つですね。

このようにボールがラケットの面にあたった瞬間の運動は、

  • ラケットとボールの並進運動
  • ラケットの回転運動

の2つに分けられます。

並進運動は特に問題なくイメージできると思います。

問題なのは、回転運動のほうですね。

ラケットは、ラケットの重心を中心に回転します。

このとき、ボールが当たる位置が重心から遠ければ遠いほど回転のスピードは速くなります。

この2つの運動が同時に起こるため、ラケットがまっすぐ進む運動と、回転によって逆向きに進む運動によって、 互いに打ち消されてちょうど動かない点が存在します。

この点でちょうどラケットを持っていれば、手でラケットが動かないように抑える必要がないので、ラケットから手に伝わる衝撃が最も小さくなるということです。

プレーヤーが持つところはいつも決まっているので、スイートスポット①(衝撃が最小になる点)も決まってきます。

スイートスポット①でボールを打つことができれば、プレーヤーが握っているグリップの位置が手に対して動かずに、 心地よくショットを打つことができます。

もし、ボールがスイートスポット①よりも先端のほうにあたってしまったときは、ラケットは、スイートスポット①にあたった時よりも速く回転しようとするので、 それをプレーヤーは抑えなければいけなくなります。

つまり、手を開く方向にラケットから力を受けます。

この結果、残った衝撃がラケットから手に伝わってくるのです。

実際にスイートスポット①(打撃の中心)を見つけてみた

理論の説明よりも、実際にどこにあるかだけが知りたいという人も多いのではないのでしょうか。

というわけで、「打撃の中心」はどこにあるのかを探してみました。

「打撃の中心」の位置は、グリップを握る手の位置によって多少変化します。

ですから、まずは普段のプレーでグリップを握る人差し指の位置を考えてみましょう。

産総研による日本人の手の寸法データhttps://unit.aist.go.jp/hiri/dhrg/ja/dhdb/hand/index.html
によると、日本人の手の幅の平均値は、

  • 男性:8.33センチ
  • 女性:7.40センチ

となっています。

今回は、男性の平均値である8.33センチを基準にして調べていきたいと思います。

グリップエンドから8.5cmのところを親指と人差し指でつかみ、つかんでいる指は動かさずに振り子のようにラケットを軽くスイングさせます。

この時、ラケットが1往復するのにかかる時間を計測します。

今回実際にこのラケットで往復する時間を計ってみたところ、5往復するのに6.28秒かかりました。

つまり、1往復するのにかかる時間は、6.28÷5=1.256秒 ということになります。

グリップを握っている指の位置から衝撃が最小になる「打撃の中心」までの距離は、次の式で求めることができます。

\(打撃の中心までの距離 = 24.8 × (一往復にかかる時間)^2\)

今回の場合は、上の式に当てはめて計算してみると、39.1cmという計算結果が出ます。

人差し指の位置である、支点の位置がグリップエンドから8.5cmとして計算しているので、グリップエンドから、「打撃の中心」までの位置は、
39.1+8.5=47.6cm ということになります。

だいたいどのような形状のラケットでも、グリップエンドから「打撃の中心」までの距離は、約50センチになるらしいです。

まとめ

まとめると、「スイートスポット①(打撃の中心)」でボールを打つことができれば、手に衝撃が来ないということです。

ラケットの先端付近でボールを打ってしまうと、動かない点もラケットの先端方向に移動してしまうため、グリップを握っている手の指に力が加わることになります。

逆にボールがグリップ側にあたった場合は、手のひらに力が加わることになります。

このように、スイートスポットから離れれば離れるほど、手に衝撃が伝わってしまうということが理論的に理解することができました。

皆さんも、実際にグリップをつまんで、1往復にかかる時間を計測してみるといいのではないでしょうか。

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