意外と知らないストリングの素材による違い
ストリングと一括りに言っても、ストリングには様々な種類があるので、今回の記事では、それぞれのストリングのもつ特徴などを解説していきます。
まず、ストリングは使っている素材によって大まかに「ナチュラル」、「ナイロン」、「ポリ」に分けられます。
ちなみに、昔は天然素材のものを「ガット」、ナイロンなどの化学繊維を「ストリング」と呼んでいましたが、今ではそのような区別はあまりされていません。
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ナチュラル
天然の素材で作られているストリングのことを一般的に「ナチュラル」と呼びます。
昔は、ヒツジの腸を使用していましたが、現在ではほとんどが牛の腸を加工して作られています。
他の人工的な素材を利用しているストリングに比べて、天然素材を使用しているため価格は高くなってしまうことが多いのですが、打球感や、ホールド感がよく、テンションを維持する性能が良いのでプロの中にも使用している人は多いです。
ただし、切れやすく、雨などの湿気には弱いという弱点もあります。
ナチュラルガットは同じ太さのナイロンストリングよりも大きく伸びる性質があり、弾力性が大きいのでボールを包み込むように大きく変形します。
つまり、ナチュラルガットはパワーが優れているということができます。
では、どのような人に向いているガットなのでしょうか。
それは、力の強いハードヒッターです。
なぜ、力の強い人におすすめなのかというと、ボールを力いっぱい叩くように打つ方がナチュラルガットのパワーを最大限に引き出すことができるからです。
ナチュラルガットは他の素材のストリングよりも大きく変形するため、スイングスピードを上げるとガットの反応もそれに比例するように大きくなります。
その結果、ボールのコントロールもよくなるのです。
このようなメリットは、ガットの太さが細くなればなるほど大きくなりますが、同時により切れやすくなってしまいます。
プロのようにテニスを職業にしている人にとってはガットが切れるというデメリットよりもコントロール性に優れるというメリットの方が大事だという人もいますが、一般の人がナチュラルガットを使ってもお金の無駄遣いになってしまう可能性もあります。
また、ナチュラルガットは他の人工的なストリング比べて表面が少し粗くなっているため、ボールがよりラケットに食い込んで快適な打感でショットを打つことができるといわれています。
ナイロン
化学繊維で作られたストリングを一般的にシンセティックと呼び、ほとんどのものがポリアミド系である「ナイロン」を中心に作られていますが、ポリエステル系や他の合成化合物を利用しているものもあります。
人工素材を使用しているため、大量生産もしやすく価格も抑えられていることが多いので幅広い人が使用しています。
ナチュラルガットに比べて打ったときに硬い感じがするため不快に感じる人もいるかもしれません。
そんな人はナチュラルに変えるという選択肢もありますが、フェイスの大きいラケットに変えるという選択肢もあります。
フェイスが大きくなればなるほど、打感の硬さは弱まるからです。
ポリ
ポリ系のストリングもナイロンと同じでシンセティック素材の1つになりまが、こちらの方がナイロンに比べてガットが切れにくく丈夫な素材を用いているので耐久性に優れています。
力が強く、ハードヒットする人でよくストリングを切ってしまうという方には、オススメのストリングとなっています。
ただ、欠点としては打感がどうしても固く感じてしまうことも多く、ポリを嫌う人もいます。
また、耐久性はいいのですが、それは切れにくいという意味なので張った時のテンションをそのまま維持する性能はあまり高くないものもあります。
ですが、最近は各メーカーが開発を進めているため、昔よりは性能のいいポリ系のストリングも発売されてきています。
マルチフィラメント
シンセティックストリングの中で、非常に細い糸を何本もまとめて1本の糸を形成している構造のものを「マルチフィラメント」と呼びます。
シンセティックの中では打感が柔らかくホールド感も高いため、ナチュラルガットに近い感覚で打つことができるといわれています。
しかし、細い糸を集めた構造をしているため、一般的に耐久性はあまりありません。
モノフィラメント
シンセティックストリングにおいて、単一素材がストリングの中心部に真として形成され、その周りに細い糸を巻き付けることで、しっかりとした打感と弾きの良さを実現したストリングのことを「モノフィラメント」と呼びます。
値段もそんなに高くないため初心者から使いやすいストリングです。
ポリモノ
ポリエステルの単一素材でできているストリングのことで、耐久性の高い素材を用いているので切れにくいという特徴があるが、そのぶんインパクト時の打感は硬く、衝撃が手により伝わってきてしまうというデメリットもあります。