ストリングってどれくらいで張り替えればいいの?
ストリングはラケットに張った時点から、テンションの低下が始まります。
また、ストリングの性能もボールを打つたびに落ちていきます。
ストリングの素材、太さ、テニスをする頻度など様々な要因に左右されますが、張り上げてから何か月も経っていると、実際のテンションは張った当時のテンションに比べてずっと弱くなっているかもしれません。
以前、テンションが低い方がボールの飛びは良くなって、パワーが出るとお伝えしたので、テンションが落ちてしまっても、ストリングを張り替えない方がパワーが出てよいのではないかと思う人も入れかもしれません。
でも、この考え方は間違えです。
テンションが時間が経つにつれて弱くなっていくのは、ストリングが伸びていくからです。
これは、ストリング素材となる物質の結合が徐々に分断したり、ずれたりするのが原因で、ナイロンのような人工的な素材でできたストリングの場合は特に伸びやすいです。
そうすると、同時に素材自体の弾力性が若干損なわれます。
ストリングの弾力性が落ちてしまうと、得られるパワーが小さくなってしまい、ボールのコントロール性能も落ちてしまうことになります。
ラケットにストリングを張った状態で放置すると、ストリングの長さは一定に保たれた状態でテンションが変化し、ストリングが伸びるにつれて、テンションが下がっていくので、比較的短時間でテンションは一定の均衡状態に達します。
つまり、ストリングの伸びによって生じるテンションのゆるみは、大半がラケットを使う前か、張ってから数日以内に発生するものであると考えられているのです。
そして、そのラケットを使ってプレーをすると、数時間でさらにテンションが落ちます。
この後の数か月は、ストリングの伸びはあまり生じないということです。
ある科学者が行ったストリングに一定の重りをつけて伸び率を計算する実験で、
一定の均衡状態に達したときの伸び率は、ナチュラルガットが約13パーセント、ポリガットとナイロンガットは約17パーセントという結果が出ました。
このことから、ナチュラルガットは合成素材に比べてテンション維持率がいいということが分かりますね。
ストリングのテンションが落ちてくると、打球音が鈍くなったり、打感が悪くなったりします。
とても感覚的なことなので、わかりづらいかもしれませんが、なんか打ちづらくなったなと感じたときは、ストリングの張り替え時期なのかもしれません。
また、使っているストリングによっては、縦糸と横糸が交差する部分に溝ができたり、ほつれができたりするものもあります。
少しずらしてみて、溝が深くなっていれば「もうすぐ切れるかも」というサインです。すぐに張り替えたほうがいいでしょう。
ストリングの反発力は、およそ3か月くらいでほとんどなくなってしまうといわれています。
打っていてもストリングがなかなか切れないというときは、3か月を目安に張り替えるのがいいでしょう。
もちろん、ストリングの素材やテニスをする頻度によって、テンションの落ち具合は変わってきます。
特に、ポリ系のストリングは、ナチュラルガットなどに比べて切れにくいという性質はありますが、テンションの維持性能はそれほど高くありません。
なので、1か月~2か月を目安に張り替えたほうが心地よく打つことができます。
また、部活などで頻繁に強い打球を打っている人も1か月ぐらいで張り替えたほうがいいでしょう。
でも、学生さんとかはそんなに頻繁に張り替えることができないですよね。
私が、学生の時はお金に余裕がなかったので、試合前の重要な時期に張り替えるようにしていました。
コストとパフォーマンスの両方を考慮するのは難しいですが、うまく妥協していくことも大切ですね。